届かない声

誰も彼女の声を聞いていなかった。会議室は静まり返っていた。

レプチンさんは静かにファイルを閉じる。

🟢「私は毎日……『もう十分です。』と報告しています。でも、その声が脳本部に届かないのです」

 

沈黙を破ったのはコルチゾール部長👨‍🔬だった「皆さん。原因は、脳本部にあります。行きましょう。真実を確かめに」

 

脳本部、人間の体で最も忙しい司令室では今日も無数の情報が飛び交っていた。

・心臓からの鼓動

・肺からの呼吸

・胃からの空腹

・筋肉からの疲労

・目、耳、鼻、皮膚

全身から届く何万もの報告。巨大なモニターには生命活動が絶えず映し出されている。その中央で一人の男が静かに指示を出していた。

🧠 視床下部課長 脳本部 生命維持管理局 司令センター長

「血圧、正常。体温、正常。呼吸、正常。次の報告をーー」

 

その時だった。コンコン、レプチンさんが入ってきた。

🟢「失礼します。脂肪細胞本部より報告です。エネルギーは十分です。食事を終了してください」

 

視床下部課長は耳に手を当てるが返事がない。レプチンさんはもう一度伝える。

🟢「もう十分です。食べなくても大丈夫です」

 

それでも返事はない。会議室の空気が重くなる。やがて視床下部課長は小さく息をついた。

 🧠「申し訳ありません、、あなたの声が小さいわけではありません。私の受信機が……壊れ始めているのです」

 

「受信機?」内臓たちは顔を見合わせた。課長は静かにモニターを映し出す。そこにはノイズだらけになった通信回路が映っていた。

 

🧠「長年の食べ過ぎ、高脂肪、高糖質の食事、慢性的なストレス、睡眠不足。それらが少しずつ積み重なり、私の受信機は雑音に埋もれてしまいました」

 レプチンさんは目を伏せる🟢「だから……。私は毎日報告していたのに。届かなかったのですね」

視床下部課長は静かにうなずいた🧠「あなたは何も悪くありません。毎日、正しく報告してくれていました。聞き取れなかったのは……私のほうです」

 

しかし、その時だった。廊下の向こうから、明るい笑い声が聞こえてくる。

 

「ねぇねぇ♡今日は頑張ったんだから、ご褒美にケーキ食べようよ♡アイスもあるよ♡今日ぐらいいいじゃん♡」

 

ドアが勢いよく開く✨💃 ドーパミンちゃんだった、、、視床下部課長は苦笑いを浮かべる。

 

🧠「困ったことに……。彼女の声だけは今でもはっきり聞こえるのです…💦」

全員🌚🩸🟢🍜「ええええぇぇぇ!!」

 

一瞬の静寂…そして会議室は、大きなため息と笑いに包まれた。なぜ"ご褒美の声"が"もう十分です"という静かな声より少しだけ大きく聞こえてしまうのか…コルチゾール部長が静かにつぶやく。

 

👨‍🔬「さて……。次は、その"ご褒美の声"の正体を調べるとしましょう」

 

脳本部の会議はまだ終わらない。つづくーー